はるはるとはじめのい〜っぽ

ダウン症がある息子と、シングルマザーである私の記録用日記

予知夢?正夢?/ひらめの不思議な体験

今回は、「霊」は出て来ません。(笑)

高校の頃、選択していた英語の授業の一環でイギリスにホームステイをしました。
ホームステイ先(イギリスのヨーク)に行く前に、
フランス(パリ)とイギリス(ロンドン)に何泊か観光してから行くというものでした。


出発の1ヶ月程前から毎晩同じ夢をみました。

大きな美術館が半分工事中で、壁には足場が組まれ、
布が張られ、隣には大きなクレーン車がありました。
次に出て来るのは、大きな宮殿の前の石畳。
そこでは、みなと並んで宮殿に入るのを待っています。
そして、最後には、石でできた椅子のようなオブジェが点々と
並べてある広場で、空を見上げると飛行機が私の頭上を飛び
私は泣きながら飛行機を見送っています。

という内容でした。
これらの夢の意味が分からず過ごしていました。
そして、1ヶ月後、出発。
フランスに着いて、私はパスポートを取り出そうとしましたが
パスポートがどこにもありません!
落としたか盗られたか・・・。
いずれにせよ、パスポートは見つかりませんでした。

本来なら、強制送還です。
フランスには入国できません。
でも、フランス政府の特別の計らいで、パスポートが発行されるまでの間、
フランスから出なければ入国してもいいというお許しが出ました。

次の日、観光のはじめに向かったのはルーブル美術館でした。
美術館に着いてびっくりしました!
まさに夢の通りだったからです!
壁には足場が組まれ、布が張ってあり、大きなクレーン車が
夢で見たままの姿で目の前に存在していました。
そして、いくつかの場所を観光しましたが、これは夢には出て来ませんでした。
皆でまわる最後の観光スポットは、ベルサイユ宮殿でした。
まさに、ここが夢でみた2つ目のポイントでした。
ベルサイユ宮殿を最後に、友人たちはイギリスに向かって旅立ちました。

私は、付き添ってくださった先生と二人でホテルに戻りました。
それから、パスポートが再発行されるまでの約10日間、先生と二人で過ごしました。
ホテルに戻るとすぐに夕食を求めて外に出ました。
ぶらぶらと歩いてたどり着いたのが、石のオブジェが点在する広場でした。
そこで私はすべてを悟りました。
あれは、正夢だったんだ。
パスポートをなくすことは既に決まっていたんだ。
夢の中で「空を見上げ、飛行機を見送る」という場面は、
「私だけ皆と一緒にイギリスに行けないこと」を意味していたのでしょう。


予知夢や正夢をみるのは、もちろん私だけではありません。
多くの方が経験していると思います。
それらの経験を元に考えると、やはり、未来というのはある程度決まっているのではないかと思うのです。
〇から10まできっちりと決まっているとは思いませんが、
少なくてもポイントポイントは決まっているのではないでしょうか。
そして、それがどんなに残酷な未来であったとしても、
それが現実に起こった者に対しての「学び」なのだと思います。
私達は、その学びがどんなに辛くても自分の力で乗り越えていかなくてはいけません。


フランスに向かう飛行機に乗る前に、私はパスポートをすぐに取り出せるように、あろうことか
ボストンバックの外のポケットに入れてしまいました。
それまでは、厳重にポシェットに入れ、そのポシェットを下着の中に入れていたからです。
ボストンバックの外ポケットに入れたこと自体が夢の導きだったのかも知れません。
その場面を誰かに見られていたのでしょうか。
飛行機の中で不自然なできごとがありました。
皆が寝静まった頃、紅茶の入ったカップを持った外国人の男性が
通路を歩いてきました。
私はいつも窓際に座りますが、その飛行機ではたまたま通路側に座っていました。
その男性は持っていた紅茶を私の膝にこぼしました。
私は白い服を着ていたので、トイレに行って汚れを洗いに行きました。
パスポートの入ったボストンバックは、頭上の荷物入れの中です。
皆は寝ています。
私もいません。
もしかしたら、私の膝に紅茶をかけた人が私のボストンバックから
パスポートを盗ったのかも知れません。

私が卒業した高校で、パスポートをなくしたのは「私」だけですし、
現在は、
「パスポートをなくした先輩」として私が伝説になっているそうです。
パスポートがないと解ったときの気持ち。
心臓麻痺を起こしそうなくらいドキドキして、頭の中は真っ白で、
ぐっちゃぐちゃにパニックして、
冷や汗が止まらず、震えも止まらず、
多くの方に迷惑をかけてしまっている罪悪感。
そして、母のことを想うと申し訳ない気持ちでいっぱいになり、
私に付きそってくださった先生にも申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
もちろん、皆からは馬鹿にされました。
この気持ちは、実際に同じ体験をされた方でないと理解するのは難しいと思います。
パスポートをなくした上に、皆から馬鹿にされ、不安と恥ずかしさと申し訳なさと惨めさと・・・
色々な感情が入り交じった、あんな経験は、後にも先にもあの時だけでしょう、、、と、思いたい。

でも、笑い話になっている今では、
誰もが経験できない極上の経験をさせていただいたと思っています。
経験は宝なり。
そう思えるのは、母をはじめ、皆様からいただいた祈りのお陰ですし、
付き添ってくださった先生が守ってくださったお陰です。
感謝しています。